蛭子能収・根本敬・山野一・氏賀Y太・卯月妙子・早見純・佐伯俊男・華倫変・丸尾末広・花輪和一・駕籠真太郎・日野日出志・御茶漬海苔・呪みちる・山田花子・ねこぢる・オイスター・カワディMAX・知るかバカうどん…漫画界の極北に位置する孤高の特殊漫画家をまとめました。
鬼畜系（きちくけい）とは悪趣味にまつわるサブカルチャーの一ジャンルで、1990年代の悪趣味ブームにおいて鬼畜ライターの村崎百郎によって確立された造語である。現在では成人向け漫画などにおける反社会的行為、ないし残酷描写が含まれる作品、またその作家を指す言葉として用いられている。
出典 鬼畜系 - Wikipedia
山野一（やまのはじめ）
鬼畜系特殊漫画家
1961年福岡県生まれ。立教大学文学部卒。
1983年漫画家デビュー。キチ○イや障害者、貧困、差別、電波などを題材にした作風を得意とする『ガロ』出身の特殊漫画家。
ねこぢるの夫でもあり、彼女の生前はアシスタントとしてサポート、死後は「ねこぢるy」というペンネームでその作品を受け継いだ。
世界の暗黒面を執拗に描いた漫画家。
貧困・暴力・差別・病・老い・死等々、
ありとあらゆる種類の絶望が集められている。
登場人物たちはさしたる理由もなく困難な状況に直面することを余儀なくされ、脱出のための主体的努力は一切報われることなく、残虐な運命に押し潰されてゆく。
そんな筋書きなのに、随所にテンションの高い笑いが散りばめられていて、悲壮感や湿っぽさは一切ない。
「世界とはこういうもの。これが当たり前なんだよ」と言いたい風でもあり、それが作品の攻撃性をさらに増しているように感じられる。
出典 貧困魔境伝ヒヤパカ 感想 山野 一 - 読書メーター
世間一般に漠然とあるタブーを陵辱し破壊する。
再生はなく救いもない。笑っちゃ駄目だとわかっても笑ってしまう。それでいて読後には一種の爽快感がわきスカっとする。自分にとっては解毒作用が働くようだ。
出典 混沌大陸パンゲア 感想 山野 一 - 読書メーター
四丁目の夕日
平々凡々に生きている主人公・たけしはある日暴走族に襲われる。その日、家に帰ってみれば、母親は大けがをして救急車で運ばれるところだっだ。
燃やしていたゴミの中にあったスプレー缶が爆発してしまったのだ。以降、これでもかこれでもかというくらい不幸がたけしを襲う。
たけしは大乗仏教的とさえ思える「不幸の無間地獄」へと堕ちていくのだった……。
人間堕ちるところまで堕ちるシナリオを用意されたら、本当にどこまでも転落していくことが出来るのである。そして一度、不幸の連鎖という火蓋を切ると、もう自分の力では抜け出せなくなる。そんな一人の人間の弱さを、この漫画は描いているのである。
出典 【山野一】人生って意外とこんなもの【四丁目の夕日】 - くまの書評ブログ～～すべての書籍は未来のあなたの血肉に～～
人生に絶望してる人は読まないで下さい。
人生に希望を抱いている人も読まないで下さい。
私が初めてこの漫画を手にとったのは、
高3の冬、社会に出る3ヶ月前でした。
トラウマになりました。
私は今、45歳で無職、独身です。
でも本棚にこの文庫がおさまっています。
出典 Amazon.co.jp： 四丁目の夕日 (扶桑社文庫)のニート45さんのレビュー
山野一インタビュー
──それにしても山野さんの漫画を読んでて感じるのは、なんでこんなこと思いつくのかなってことなんです。どうしていつもリアリティがあるくせに突飛なアイデアを思いつくんでしょう。
山野「それはわかんないですね」
──思いつこうと努力しているんですか。
山野「それはないですね。ただ、とことん抑圧されている人たちの姿を想像すれば……」
──四丁目の夕日に「世の中には奉仕する者とされる者との二種類の人間がいて、それは地下鉄の駅の様に明確に区切られている」というセリフがありましたが。
山野「惨めな境遇にある者が、幸福になるなんて絶対に許せないですよね。正しくないですよ。僕は正しい漫画を描いているのにな。理不尽な差別を受けて、皆から嫌われ蔑まれている者が爽やかな幸福を手に入れるなんて誰も納得しませんよ」
──でも山野さんの作品は全く世の中を拒絶しているわけではありませんよね。確かにマイノリティの感性は顕在してますが決して理解不能なところまでぶっ飛んではいない。
山野「やっぱりこれで食ってる訳ですから普通の人の事を考えるんですよ。それで普通の人が読んでわかる日本語で書いて普通の人が見てわかる絵で描こうというのは最低考えますね。そうやってなんとか社会の末端のほうで生きさせてもらってるんです」
シャブ中のオッサンが薬やりすぎてダムに毒をまいたり、梅毒の母娘に襲われる公務員など、個人的には「チャクラが開く！」と思う作品ばかり。深い業を背負った女の一生を描いた「どぶさらい劇場」も超お勧め。
出典 青春こじらせ時代に読んでいて感銘を受けたガロ系漫画ベスト10 - Hagex-day info
僕は山野一さんの漫画が好きで、それは何故かと言えば、そこに「どん底」が描かれてるからです。
登場人物たちのあまりの不幸っぷりに自分の境遇との比較の中で「癒し」を発見出来るからではないかと思うのです。
出典 【まんだらけ トピックス】 本・まんが・コミック・TOY・同人誌の専門店
山野一の一番好感を持てる部分というのは、刃でメッタ切りした相手を尚も機関銃でハチの巣にしてしまうような、殺る時は容赦しません、徹底的にやりますよ、とでもいうような彼の作家的態度だ。
出典 青林堂版『四丁目の夕日』根本敬の解説
混沌大陸パンゲア
以下の話が収録されています。
カリ・ユガ（全7話）
脳梅三代
むしゃむしゃむソーセージ
工員
さるのあな
走れタキシェ
花嫁の花園
壁
Closed Magic Circle
SCHIZOID-ZONE
水産
火星法経会
ラヤニール
パンゲア
ムルガン
…以上です。
本棚から親が手に取らないか心配な漫画。感想を書くのも憚れる不謹慎すぎる笑いと妙なカタルシスがヤバイです。
出典 混沌大陸パンゲア 感想 山野 一 - 読書メーター
序盤は、貧乏、白痴、奇形といったものを扱っていて、それはこの世の物質面に根ざしたものだ。その暗いトンネルを抜けると薬物、錯乱の精神面へと到達する。ここではもう、段階を追う事なく直接的に人を高みまで連れて行ってくれる。この本は劇薬である。
出典 混沌大陸パンゲア 感想 山野 一 - 読書メーター
とにかくヤバい。なにがヤバいとかではない。
最初から最後までエログロナンセンス。
電波系というかシュールというか…
薬物塗れ、糞尿塗れ、血塗れ、この世のタブーを徹底的に詰め込み、見る者を奈落の底へ突き落す。正義の欠片もない残酷非道な短編集。
つまりは最高。いや、あえて褒めるならば最低。史上最低の漫画に違いない。ボロボロに貶していると思うなら、それは間違いだ。俺は心から絶賛する。むしろ溢れんばかりの才能に嫉妬している。
さすが、故ねこぢる先生の夫。頭の壊れ具合が違う。駕籠真太郎先生、丸尾末広先生、氏賀Y太先生、市場大介先生とも違う。今申し上げた先生方は、自分の書きたいものがハッキリしている。
しかし、山野一先生の作品は、何の感情も見いだせない。何がしたいのか理解できない。常人には決して理解の出来ない破壊と混沌が脳髄を蝕む。やっちゃダメな事、見ちゃダメな事ってどうしてこんなに美しいんだろうか。
出典 混沌大陸パンゲア×齋藤孝×コンクール ジェルコートF 90g×左半側空間無視
早見純（はやみじゅん）
鬼畜漫画家
1978年『週刊少年サンデー』の新人賞佳作に入選。同期の漫画家に同じ新人賞でデビューした高橋留美子がいる。
その後、5年間作品を発表せず、
1983年に現在の早見純スタイルで再デビュー。
生年月日、前科など、プロフィールは一切不詳。
謎多き鬼畜天才作家である。
エロ漫画界の極北、バイオレンスな描写のエロ漫画家。
出典 早見純とは - はてなキーワード
宮崎勤、ストーカー、SM監禁、のぞき魔、リストカット、窒息レイプ、ひきこもり、バラバラ事件…現在起こるありとあらゆる異常犯罪を予言していたとも思える作品を20年以上も前に発表し、一部の変態マニアに圧倒的支持を得たマンガ家＝早見純。
出典 早見純インタビュー
早見純インタビュー
──早見さんの作品って、現実にそういうことが起こったりしてるから、それに対して異議を唱えてるって部分もあるんじゃないかと思うんですけど。だって早見さん、モラリストじゃないですか。
早見「はい。僕ほどモラルのある作品を描いているマンガ家はいないでしょう」
──だ…だって実行には移さないわけでしょう?
早見「ええ。半分しか…。体験したことを描く方が楽なんですよね。あ、でもウンコは食べません」
──そういう問題じゃな…くて……。
早見「人間はただの肉塊である、みたいなことを見せられると安心するんです。どんなに美しい少女でも、飾りが全然なくなっちゃうみたいな。そこが好きなだけです」
出典 青林工藝舎『アックス』Vol.26 「特集 暗黒大陸早見純」
早見純先生は「史上最悪にエロくてグロテスクで変態的」と評される漫画家です。その作風はエロ漫画の枠を完全に逸脱しています。
氏賀Y太先生などのスプラッタ的なグロテスクさと一線を画く、精神的なグロテスクさや嫌悪感を沸々と沸かせてくれます。
出典 漫画好きにオススメのエロ漫画 早見純「卑しく下品に」 - karimikarimi
早見純作品には、大抵の人が眉をひそめる。当然である。大抵の人が生理的に受け付けない。当然である。
しかし、だからと言って社会から抹殺しようとか、袋だたきにしようとかいう気持ちが起こる人がいたとしたら集団ヒステリーを形成する異常心理の持ち主である可能性が高い。皆さんも一度早見作品を読んでセルフチェックしてはいかがかな。
出典 日本正しい映画の見方を教える市民の会
早見純さんを全く知らない人には、とにかくグロくて残酷で悲惨でキモくてエロい漫画を描く作家、と教えてあげます。
出典 いつか想い出す日々 早見純の漫画はいかがわしく、優しく発狂している
気持ち悪い物を気持ち悪く描くのには力がいる。
それに精神的な嫌悪感を呼び起こさせる絵となればなお更だ。
早見先生の絵は、線の一本一本までが気持ち悪い、と私は思う。絵だけじゃなく文字も言い回しもモノローグもすべてが気持ち悪い。
出典 漫画好きにオススメのエロ漫画 早見純「卑しく下品に」 - karimikarimi
他のグロ漫画家と決定的に違うのは、その美麗なタッチと、内面のトラウマに深く突き刺すような表現で「余計な気持ち悪さ」をかなり巧く表現している点。
出典 【CJ街】Vol.2：早見純「卑しく下品に」 - 街の灯
1989年頃に休筆宣言をし、失踪…。
しかし、2000年に入り作品群を再び世に送りだし、突然の復活。
すべての倒錯変態行為が出尽くしたとも思える現在で、氏は新しい変態の未来を再び予言してくれるのであろうか…!?
出典 早見純インタビュー
猟奇漫画家
1970年新潟県生まれ。1993年漫画家デビュー。
猟奇漫画家を自称しており、性表現のみならず、流血では済まされない残酷な表現を主眼とした暴力性・加虐性にあふれたスプラッターな作風で知られる。
『真・現代猟奇伝』（2004年）は、実際に起きた事件を基に描いたドキュメンタリータッチの漫画だが、女子高生コンクリート詰め殺人事件をモデルにした回が問題視され、物議をかもすことになった。
名実ともに猟奇的漫画家の代名詞として名前が挙げられる事も多い。
純真な心を持つ人はストーリーをテキストで読むだけで気分が悪くなると思われる。実物を読んでしまうとトラウマ確定である。
出典 氏賀Y太とは (ウジガワイタとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
人間が想像し得る、どんな残虐的表現も氏賀Y太が既にしている。
人間が可能な、生理的また精神的に嫌悪する表現の最高なところにいる漫画家が氏賀Y太先生である。
出典 漫画好きにオススメしないエロ漫画 本当に恐い氏賀Y太 - karimikarimi
デスパンダ
成年コミック指定
単行本のタイトルは『巫女と野獣』（三和出版）
突如街に現れ人々を虐殺する謎のパンダ「デスパンダ」と巫女の闘いを描く。
作者は単行本でこの作品を「ラブコメ」と自称しているなどギャグテイストの描写もあり、氏賀Ｙ太作品の中では描写は比較的大人しめの方である。
真・現代猟奇伝
成年コミック指定
実際にあった事件をモチーフに描かれた三編とオリジナル三編からなる胸糞悪すぎる鬼畜短編集。
「事実にもとづいた物語で内容に関しては全てフィクション」としながら「女子高生コンクリ詰め殺人事件」「混血少年連続殺人事件」「名古屋妊婦切り裂き殺人事件」を漫画化した。
怖いもの見たさで読んで後悔するタイプの漫画。ただただ気分を害する。読むべきではない。
出典 後味の悪い、読むと辛くなるトラウマ漫画１０選 - 必需品ブログ
これほどまで残酷なシーンを書くとは。アダルト漫画を超えてますね。さすがの一言です。いずれにせよ暴力系の漫画が苦手なら絶対にパスしてください。
出典 Amazon『真・現代猟奇伝』カスタマーレビュー
猟奇事件の重み、痛み、悲しみをマンガという手法で伝える事のできる作家は、絶対に氏賀Ｙ太しかいないと思っている。
だからこそ、これから氏賀Ｙ太さんには作品がマンガであることを超えるところまで行って欲しいと私は勝手な期待を寄せてしまうのだ。
出典 Concrete
鬼畜系女性漫画家
1991年大阪府生まれ。2014年に漫画家デビュー。
新人作家ながら鬼畜マンガでネット界を大いに騒がせ、いま最も注目されている新進気鋭の鬼畜系漫画家である。
独特なペンネームの由来は「一発でわかる名前にしようと思ったのがきっかけ」と語っており、特に意味は無いとしている。
過激かつアブノーマルな描写で現代社会のタブーに切り込む作風であり、ベースとなるテーマが人間の「業」であることが多い。
暴力、薬物、貧乏、強姦、拉致、監禁、スカトロ、小児性愛、知的障害、四肢切断などの陰惨な内容。人間の負の部分を嫌というほど見せ付ける作風である。また、荒廃した生活環境が舞台となることが非常に多い。
出典 知るかバカうどん - Wikipedia
愉快犯のような作風に思えて、
実は（最悪な形の）因果応報だったり
誰も責められない複雑な状況を描いていたり、
その才能は本物だと個人的には感じました。
人の感情の起伏だったり、醜悪な部分を描くのは相当に上手い。
出典 【深淵にようこそ】ぜんぶまとめてボコボコりんッ！/知るかバカうどん 感想～知るかバカうどんの世界へ～ - Neverending Cult
知るかバカうどんインタビュー
──今回の単行本『ボコボコりんっ！』は、タイトル通りに女の子をボコボコに殴るシーンがいっぱい出てくるよね。pixivには、女の子がリストカットしている作品や四肢切断も。本当に好きなシチュエーションはどれなの？
うどん「えっ、知的障害者のレイプが一番好きかな」
──初っぱなの収録作が、知的障害者によるレイプ。この出版社は大丈夫なのかと思った。
うどん「自分もそう思いましたよ」
──可愛いものが好きなのか、それとも可愛いものを壊すのが好きなのかがわからない。
「可愛いものが好きなんです。可愛いものが壊される姿に興奮することは、自分の絵でも他人の絵でもありません」
暴力がなくても作品を描けると思った編集者は彼女に、ごく普通のエロマンガを描いてみないかと依頼した。そして、ネームが上がってきた。
「いちゃラブなのに、なぜかゲロなんですよ……」
なぜゲロを描いてしまったのか。
そう彼女に尋ねると素の表情で口を開いた。
「自分が思ういちゃラブは、ゲロを塗りたくったり食べたりとか、ウンコ食べたり、オシッコ飲んだり、なんというか、痛み分けだと思うんですよ。それは……いちゃラブじゃないんですか？」
真顔での語りに、これまた返答に困っていると編集者が呟いた。
「うどんちゃんの愛の表現は、最終的にすべてわかり合わなくちゃいけないんですよ」
普通は描かれないこの世の汚点というか深淵というか、一応成年漫画なんですけど、多分これを抜き目的に読む人も中々いないんじゃないかな…
出典 【深淵にようこそ】ぜんぶまとめてボコボコりんッ！/知るかバカうどん 感想～知るかバカうどんの世界へ～ - Neverending Cult
蛭子能収（えびすよしかず）
漫画家・タレント・ギャンブラー
昭和22年生まれ。長崎県長崎市育ち。看板屋・ちり紙交換・ダスキンのセールスマンなどの職を経て昭和48年に『月刊漫画ガロ』で漫画家デビュー。
昭和54年からは『ガロ』以外に伝説的自販機本『Jam』『HEAVEN』をはじめ官能劇画誌『漫画ピラニア』などでも数多くの作品を発表。
以来、特異な作風で注目を集め、不条理漫画家・ヘタウマ漫画家としての地位を確立する。
日本のオルタナティヴ・コミック／アンダーグラウンド・コミックの中でも最も異端な立場にありながら、80年代後半からはタレントとして数多くのテレビ番組に出演しており、世界のカジノを股にかけるギャンブラーとしても名高い。
まず、始めに言っておきたい。
蛭子能収は天才である。
蛭子能収は悪魔である。
一頃、世間では蛭子能収は人畜無害でつまらない漫画ばかり描いている人だと、勘違いされている時期があった。
最近は、根本敬や浅草キッドによって蛭子能収の悪魔伝説が広められたおかげで、人畜無害だとか、いい人だとかいう間違ったイメージはある程度薄れつつあるのではないかと思う。しかし、天才作家であるという事実は、なかなか認識されていない。
蛭子能収の漫画とは、生活の不満と日頃の欲望と異常な想像力と不気味な絵と、これら全てがぶち込まれた狂気の塊なのだ。
出典 蛭子能収作品レビュー
蛭子能収とは、宇宙の真理そのものなのである。真理とか言ったところでその正体について俺たちは何も知らないが、とてつもなく恐ろしいものである様な気がしてならない。
出典 漫画家・蛭子能収を再評価せよ！
徹底して無意味で残酷な作品ばかり
悩みなんかぶっ飛ぶほどの無意味とえげつなさ。
逆の意味で人生解毒剤。
癒し本より癒される異常と無意味。
みなさんもうちょっと、
この人の価値を認めてあげてください。
「クール・ジャパン」て、
こーゆうの言わへんの？
出典 Amazon.co.jp： 私は何も考えない (1983年)のがいさんのレビュー
蛭子さんが漫画家だっていうのは知っていたけど、あんな壮絶なものを描いているとは知りませんでした。描かれた時代的に言っても元祖ヘタウマっていう世代ではないでしょうか。
出典 Amazon.co.jp： 蛭子能収コレクション (地獄編)のさんのレビュー
蛭子能収インタビュー
──どんな漫画を投稿されたか覚えてらっしゃいます?
蛭子「狂気が彷徨うというタイトルなんですけど、内容はなんだったけなぁ、男と女が同棲していて、男が相手の女を殺すっていう（笑）」
──ストーリーはまったく伝わってきませんけど、ヤバさだけはビンビンに感じますね（苦笑）
蛭子「たしか理由もなく何か相手がうっとおしくなっちゃって『目の前のこの人がいなければ自由だ』と思い始めて殺してしまうという、そんな漫画でした」
──たったそれだけですか?
蛭子「それだけです（笑）」
──どんな惨殺シーンを描いたんですか?
蛭子「電気コタツのコードで首を絞めて、絞めてるコードの布がビリビリに破れて、段々と中の銅線だけになっていって、その銅線がグーッと首に食い込んでいくんです。快感ですねぇ（満面の笑みで）」
──うわぁ……ちなみに総ページ数とその惨殺シーンに割いたページ数は?
蛭子「総ページ数は18ページで惨殺シーンが10ページだったかな…」
──どこかで願望みたいなのがあるとか？
蛭子「願望もあると思いますね。上京したての頃に勤めていた看板店の寮が相部屋で同僚の男と二人で住んでたんですけど……」
──まさかその男性を作品中の惨殺される女性に見立てて？
蛭子「二人で住んでると一人でいるのと比べると自由がないんですからね。そのとき一番許せなかったのは、その相部屋の男が優しかったんですよ」
──優しさが許せなかった？
蛭子「優しいから何の文句も言えないですし、こっちも優しいふりしなきゃならないし、それがすごい窮屈で窮屈でめんどくさくて」
──殺したいくらいに？
蛭子「まぁ、そうですね（サラリと）」
蛭子能収は蛭子能収という宇宙に住む蛭子能収という宇宙人だ。たかが漫画如きが、つまる、つまらないといった次元の話など蛭子宇宙の内部では全く問題にならない。
出典 「お前は黙ってろ！―あとがきにかえて―」 根本敬『人生解毒波止場』
地獄に堕ちた教師ども
以下の話が収録されています。
地獄に堕ちた教師ども
勝手にしやがれ
仕事風景
疲れる社員たち
愛の嵐
超能力
真夜中のパーティ
仁義なき戦い
地獄のサラリーマン
…以上です。
抗う事もできず、ただ受け入れる事しかできない不条理な世界。はっきり言って、これは悪魔が見せる悪夢だと思う。もしくは狂人が見る幻覚か。
しかし、悪夢であれ、狂人の幻覚であれ
これが最高に面白くて魅力的なのは間違いない。
それは、この漫画が人間の内に潜む得体の知れない部分を鋭く突いて刺激してくれるからではないかと思う。
出典 蛭子能収作品レビュー
根本敬は蛭子能収を「狂気を内側から描いている人」と言っていたが、この頃の作者はまさに、気ちがいであり天才だったのだ。
もし、この頃のブチ切れた蛭子能収を知らない方がいたら、絶対に読んだ方が良いと思う。
おそらくは、今までもこれからも、
こんな作家、こんな漫画は他にないだろうから。
出典 蛭子能収作品レビュー
あの精神分裂漫画の作者である異形の親父がよくぞここまで茶の間に浸透したもんだ。しかもキチガイじゃなくって、人畜無害のお人好しってことでだから驚く。
だが、そういうもんをすべて取っ払ったうえでも、これだけは絶対に言える。うわべの素朴でお人好しなキャラクターとは裏腹に、その無意識、深層、いや存在の根源においてこれほどしたたかな奴は世界中探してもいないってことを。
出典 別冊宝島250 『トンデモ悪趣味の本』（宝島社 1996年） 「蛭子能収インタビュー 茶の間のピンヘッドは無意識の殺人者!?」文＆画＝根本敬（特殊漫画家）
奇想漫画家
1969年東京生まれ。1988年に漫画情報誌『COMIC BOX』でデビュー。
エログロ、ナンセンス、シュール、不条理、ブラックユーモアなどを得意としており、エログロに留まらず人間という存在を弄り倒す人体改造や人体破壊をネタに狂気的な世界を描いている。
海外でも高い評価を受けており、日本を代表する「奇想漫画家」である。
主な著作リスト
輝け!大東亜共栄圏
アイコ十六歳
大葬儀
喜劇駅前虐殺
駅前花嫁
正しい変態性欲
凸凹ニンフォマニア
登校途中の出会い頭の偶然キスはありうるか?実験
駕籠真太郎高濃短編集 異物混入
夢のおもちゃ工場
おばあちゃんが死体くさいよ
アリ地獄vsバラバラ少女
超動力蒙古大襲来
根本敬（ねもとたかし／けい）
特殊漫画家／特殊漫画大統領
日本特殊漫画界の巨匠であり、
特殊漫画家を自称する『ガロ』出身の漫画家。
1981年のデビュー以来「特殊漫画」の道を突き進み、漫画界の極北に位置する。
漫画界のみならず、音楽界やアート業界にも熱烈な支持者やフォロワーを持つオルタナティブ界の重鎮である。
「因果者」「イイ顔」「電波系」「ゴミ屋敷」「特殊漫画」などのキーワードを作り出し、悪趣味系サブカルチャーへ与えた影響は大きい。
「幻の名盤解放同盟」のチーフとして廃盤レコードの復刻活動も行っている。根本の半生や活動については名著『因果鉄道の旅』に詳しい。
今や特殊漫画大統領として孤高の地位にいる根本敬先生。1981年に『月刊漫画ガロ』でデビューした、特殊漫画家です。この肩書きだけで普通の漫画家でないのは分かりますね。
その絵は他の誰も真似できない(しない)ので、
絵を見たら一発で分かりますし、見た事ある人も多いでしょう。
下品、汚い、それは美徳です。
それに漫画以外の活動も活発です。
活字、イラスト、映像作品、廃盤音楽紹介、イイ顔オヤジのルポ…
街で見かけた頭がイっちゃった人々まで、有名無名のアウトサイダー達を愛し、ルポしたり、作品の題材にしたりもしてます。
頭に色んな声が流れ込んでくる「電波系」の人達を追った後は、一般にまでその存在と言葉を広めましたね。ゴミ屋敷とその住人も昔から取り上げてましたが、後にTVで何度も放映されるようになりました。
出典 大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース) 月刊漫画ガロ（８） 根本敬 １ 「亀ノ頭のスープ」
特殊漫画界の極北
日本で最もアンダーグラウンドなオルタナティヴ・コミック誌『月刊漫画ガロ』に掲載された作品や作家は、読者から「ガロ系」と呼ばれているが、根本敬は「ガロ系」の作家のなかでも、極北に位置する最も過激な作風の特殊漫画家である。
絵を目にしたことのある人間ならお分かりだろうが、根本敬氏の漫画は大変ハードルが高くて、世間一般の評価にしても「好き／嫌い」などという感想以前に、「読めるか／読めないか」という所で大きく分かれてしまうのが特徴だ。
読める奴にはもの凄く面白く読めるが、読めない奴は表紙のタイトルですら満足に読みこなせないのが「根本漫画」なのである。
出典 村崎百郎「とんでもねえ本」について
主な著作リスト
花ひらく家族天国
固い絆のブルース
怪人無礼講ララバイ
龜ノ頭のスープ
豚小屋発犬小屋行き
因果鉄道の旅
人生解毒波止場
タケオの世界
生きる（増強版）
ミクロの精子圏
未来精子ブラジル
夜、因果者の夜
ディープ・コリア
心機一転土工！父ちゃんのやきいもがきこえる
「根本漫画」を読むことができる連中とは基本的に「表層的な美醜にとらわれず人や物の本質を見ようという前向きな姿勢を持った連中」と思って間違いない。
具体的にどういう連中が「根本漫画」を読めないかというと「上っ面の正義を愛し、人を身なりや外見で判断したり、学歴だの家柄だのに必要以上にこだわり、自分が他人にどう見られるかという見栄や体裁ばかりを気にして、心の中は優越感やエリート意識で満ち満ちて、清潔で美しいものは愛するが醜いものや汚いものは思い浮かべるのも嫌いという、表層的にはとてつもなく上品な人々」がそれに該当するという驚くべき結果が報告されている。
出典 村崎百郎「とんでもねえ本」について
村田藤吉
チビ、ハゲ、近眼、どもり、愚鈍、真性包茎…
そして異常すぎる不運に憑り付かれた
気弱な丸メガネの中年男・村田藤吉。
善良で他者を恨むことがないが、遺伝子レベルで不幸を義務付けられており、ほとんどの作品で悲劇的結末を迎える。
村田一家を次々と襲う悲劇を徹底的に描いた『生きる』シリーズはこの苛酷な現代社会を生き抜く為の聖典であるに違いない。
地球以外どこの星 どこの宇宙にも生物なんかいない。だから円盤もない。超能力なんて人間にはない。霊魂もないから霊界もない。ネッシーもいない。雪男もツチノコもいない。キリストも仏陀も架空の人間で初めからいない。どんな神様もいない。
出典 根本敬「21世紀の精子ん異常者」（青林工藝舎／マガジンハウス刊『亀ノ頭スープ』より）
丸尾末広（まるお すえひろ）
漫画家
1956年生まれ。本名は丸尾末廣。
レトロなタッチと過激・グロテスクな描写、夢野久作や江戸川乱歩などの影響が色濃い幻想的・怪奇的な作風、図像・文章における夥しい引用やパロディを特徴としている。
代表作『少女椿』は1990年代初頭にアニメ化された。この作品は神社の境内などで上映され、スモークや紙吹雪などの独特の演出がなされた。
なお、この作品のメディア化は日本国内では基本的に行われておらず、1999年には成田税関でフィルムが没収後破棄され、国内輸入および日本国内で上映禁止となる。その後も警察の要請で名目上2012年まで上映が禁止されていた。
『少女椿』の主人公みどりちゃんは、筋肉少女帯の「何処へでも行ける切手」という曲を経て、綾波レイのキャラクターデザインに影響を与えたことでも知られている。
漫画家
1947年埼玉県生まれ。
1971年『ガロ』で漫画家デビュー。
初期にはエログロナンセンス的作風で猟奇的な物語を、中期以降は主に平安から室町時代の日本を舞台にした怪奇かつファンタジー色が強く宗教的救済をテーマとした物語を緻密で濃厚なタッチで描いている。
幼少時代は両親に床下で育てられるなど、虐待を受けていたことを自ら語っている。
やがて『ガロ』に掲載されたつげ義春の『ねじ式』に刺激を受けて漫画を投稿し入選。
当時は自ずと湧き出る憎悪を漫画にぶつけていたという。丸尾末広と並ぶ「耽美系」「猟奇系」作家と称されるようになる。
成人向け漫画家
本名や生年・出身地・プロフィールなど一切不詳。
4コマ漫画家の「ÖYSTER」とは完全な別人。
広告媒体では「陵辱の帝王」と冠されるほど、作品の内容は女性への陵辱のみに徹している。
その描写は極めて凄惨・過激で、年齢層を問わずあらゆる女性が社会復帰不可能なほど精神的肉体的に破壊される話を中心としている。
加虐者の男性の方も、精神的に異常をきたしている上に暴力性が強い事が多く、作品でのストーカーの登場率が高い。
布団かぶりながら読み進めました。
怖い。怖すぎます。人はどこまで残酷になれるというのか。陵辱モノを期待している方にはオススメできません。これはホラーです。
なによりこれを勃起しながら読んでる自分自身が
気持ち悪くて仕方がないのです。
出典 Amazon.co.jp： 人デ無シ乃宴 (いずみコミックス)のぽちっとな♪さんのレビュー
全く報われないストーリー
かつ異常でロリで貧乳で凄まじく巨根です。
絶望的過ぎて感想が出ない。
出典 Amazon.co.jp： 生贄と牢獄 (いずみコミックス)のNNNエージェントかくらさんのレビュー
登場する少女達の状況は過激というよりは悲惨であり、登場する男性陣の性癖は変態というよりは異常であります。
女の子たちは襲われて喜んだり、恍惚の表情を見せたりはしません、最後に残るのは絶望という感情のみ。
出典 Amazon.co.jp： 惡德乃榮 (いずみコミックス)のクレイスさんのレビュー
知って理解を深めることは重要です。
そんなの知りたくも無いし理解したくないし、けしからんので規制という世間の風潮や、性犯罪の抑止という名目の政治手動での規制の流れに、むしろ私は恐怖します。
エロいけど「後味が悪かった、現実じゃなくて良かった」と何か感じることができればソレは漫画とはいえ、経験として得るものがあったのだと思います。
出典 Amazon.co.jp： 惡德乃榮 (いずみコミックス)のクレイスさんのレビュー
やったね たえちゃん！
やったねたえちゃん！とは、有名な鬱漫画の一コマである。起・承・転・結の『承～転』部分に当たる。
元ネタはカワディMAX作の"涙あふれる現代のファンタジー"エロ漫画「コロちゃん」に登場する1コマである。
「コロちゃん」はコミックス「少女奴隷スクール」に収録されている。タイトル通り18禁に属するので、未成年の人は気になっても大人になるまで我慢しよう。
出典 やったねたえちゃん！とは (ヤッタネタエチャンとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
余りにも有名なワンシーンのため
あらゆる場所でネタにされており
元ネタを知らなくとも、
一度は見かけた人も多いと思われる。
しかし肝心の内容が酷いので、
このネタを使うと例え冗談であっても
「おいやめろ」「おいばかやめろ」
と返されることがある。
子供特有の「安心感」をズタズタに引き裂くという、とてもとても鬼畜な筋立てであり、見る人が見れば伯父が夢に出てきそうなぐらいのトラウマになるだろう。よく商業流通できたもんだ。
また某掲示板ではこの影響で一時期「家族が増える」という言葉に陰惨な意味が付会されていた時期もあった。
出典 やったねたえちゃん！とは (ヤッタネタエチャンとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
卯月妙子（うづき たえこ）
漫画界の最終兵器
1971年岩手県生まれ。20歳で結婚して一児をもうけるも夫の会社が倒産。
多額の借金返済のために排泄物や嘔吐物、ミミズを食べるなどの過激なAVに出演し、カルト的人気を得る。
その矢先、精神病を患っていた元夫が投身自殺を図る。その後、幼少の頃から悩まされていた統合失調症が悪化、自傷行為や殺人欲求などの症状のため何度も入退院を繰り返す。
一方で女優として舞台などで活動を続ける。さらに自伝的漫画『実録企画モノ』『新家族計画』（いずれも太田出版）を出版し、漫画家としても活躍。
ガチの統合失調症患者でありカルトAV女優であった彼女は、寡作ながら作品の内容が恐ろしく濃く、徹底的に救いのない悲惨な境遇や現実を泣き笑い感覚で吹き飛ばす作風で、作品は赤裸々な自虐トーンに満ち溢れている。
出典 漫画界の最終破壊兵器「卯月妙子」 | 膝と相談させてください
卯月妙子さんというAV女優がいて、
すごい美人なのに、ウンゲロミミズ エログロドキュメントというなにがなにやら、とにかくすごいらしいスカトロAVに旦那の借金返済のために出演していると、ずっと昔に何かで読んだ。
よもやその方が統合失調症で舞台の上で首切り自殺未遂したり、歩道橋から顔面ダイブしていたとは…
出典 Amazon.co.jp： 人間仮免中のしーちゃんミ,,ﾟДﾟ彡y━‾‾ さんのレビュー
人間仮免中
夫の借金と自殺、自身の病気と自殺未遂、AV女優他様々な職業…
波乱に満ちた人生を送ってきた著者が36歳にして出会い恋をした。
ケンカしながらも楽しい生活を送っていた二人。
そんなある日、大事件が起こる――。
年の差、過去、統合失調症、顔面崩壊、失明……
すべてを乗り越え愛し合うふたりの日々をユーモラスに描いた、感動のコミックエッセイ!
デビュー作『実録企画モノ』で大反響を巻き起こした“漫画界の最終兵器"卯月妙子の、10年ぶり待望の新刊!
統合失調症が進行して歩道橋から顔面ダイブして重傷を負い、精神障害と片眼視力喪失などの重度の身体障害のため、まともな絵が描けなくなるなどの障害を負います。以上より、本物のキチはレベルが違うことをこれらの作品は教えてくれます。
出典 漫画界の最終破壊兵器「卯月妙子」 | 膝と相談させてください
なんなんだ…この漫画…。凄まじい。申し訳ないが、そんな通り一遍の言葉しか浮かばなかった。壮絶というか、唖然として上手く表現をすることが出来ないのである。絶句した。
出典 10年越しの衝撃：卯月妙子『人間仮免中』 - マンガLOG収蔵庫・別館
統合失調症の世界、業の深い表現者の世界を垣間見る本としてはもの凄いし、賛否両論悲喜こもごもの感情を揺り動かされる作品ということで読んでみてほしい、と私は思います。
出典 卯月妙子「人間仮免中」がものすごい - nerumae
怪奇漫画家
旧満州チチハル市出身。東京育ち。大阪芸術大学芸術学部キャラクター造形学科教授。
70年代の子供達に強烈なトラウマを植え付けた最古参のホラー漫画家であり、怪奇や叙情的な世界を独特のタッチで表現するホラー漫画家の重鎮である。
日野日出志作品は日本だけにとどまらず世界各国でも翻訳出版されており、欧米諸国を中心に高く評価されている。
日本を代表するカルトホラー漫画の第一人者"日野日出志"。
作品は英訳され一躍世界に活躍の場を広げる伝説の漫画家です。
幼少の頃、本屋でその表紙の絵のあまりの恐怖からしばらく悪夢にうなされたという人多数。日野作品に影響を受けた映像作家も多数。さらに、映画化しようと挑戦した映像作家も多数。
しかし、これまで腐る体､奇病､奇形児、蛆、思わず目を伏せてしまう絵の数々の中に隠されたメッセージの哀愁を何度も映像化が試みられたが、残念ながら実現しませんでした。
出典 特集：ハジメテノインタビュー [Bravest!]
数多くのホラーや怪奇作品を発表、独特のタッチでホラー漫画界の第一人者としての地位とカルト的な人気を同時に確立する。
漫画以外にも絵本作品や児童書、キャラクターデザインなどの創作活動も行っている。
まだらの卵
工場排水が流れ、異臭を放つドブ川で、少年がまだらの卵を拾ってくる話。
ある日、学校から帰った少年は、部屋に置いてある卵が割れているのを発見する。
卵から生まれた「何か」は、窓の外に出て、ドブ川に入った痕跡を残したまま姿を消すが、一ヶ月が経った頃、近所で動物や子供の行方不明事件が続発するようになる。
以下の話が収録されています。
ウロコのない魚
セミの森
マネキンの部屋
地獄へのエレベーター
がま
ともだち
おかしな宿
まだらの卵
…以上です。
蔵六の奇病
体中が吹き出物だらけになる不思議な奇病にかかり、住んでいる村から追い出されてしまう主人公の蔵六。
森の外れに隔離された蔵六は、自らの体から吹き出る7色の膿を使って絵を描き始める。
これは日野日出志開始とも言うべき作品です。
人によってはトラウマになるでしょう。
それだけに紹介するのが結構難しい作品です。
というのも、主人公の蔵六の描写が凄まじいことになっているからです。そして、それがショッキングであると同時に不思議な美も持っており、将来の読者の興味をスポイルしないようにするのも悩ましいです。
出典 日野日出志「蔵六の奇病」 - おかもろぐ（再）
地獄の子守唄
ある日、日野日出志は自分に特殊な能力があることに気づく。
近所のいじめっ子三人組にいじめられた際に、その恨みを絵にしてみたところ、絵の通りにいじめっ子達が死んでしまう。
そして自分の母親さえも地獄の絵に描いてしまう。大人になった日野日出志は、金を持ち逃げした友達や、漫画のライバルや、自分の漫画をコケにした編集者を同様に殺していく。
マンガ史上最大のトラウマ作品は何か？
そんなアンケートを取ったとすれば、間違いなく上位にランクインする伝説のホラーマンガである。
神経質なタッチの絵柄と、異常きわまるエピソードの数々が相まって、なんともいえない凄みを発散している。何度読み返してもため息の出る神がかったホラーマンガの傑作なのである。
そして…いよいよマンガ史上屈指のトラウマシーンが訪れる。物語の結末で、主人公は最大級の呪いを投げかけるのだ。その相手とは…
これは言わぬが花だろうが、読者はこの作品を読んでから3日間、恐怖のあまり眠れない夜を過ごすことになる。
出典 読んでどうなっても知りませんよ！ 恐怖の王による伝説のトラウマコミック | ダ・ヴィンチニュース
きみはこのまんがを見てから
3日後かならず死ぬ！
3日後をたのしみに
まっていてくれたまえ……
死ね 死ね！おちろ おちろ!!
地獄の底へおちろ！おちてしまえ!!
出典 地獄の子守唄
怪奇漫画家
神奈川県川崎市出身。血液型はO型。
影響を受けた漫画家は手塚治虫、大友克洋。
1984年に『精霊島』でデビュー。
多数のホラー作品を執筆するほか、実写ホラー映画の監督も務めている。
目力のある独特の絵柄、陰鬱でじめじめとした世界観、この世の悪意の塊のような悪人たち、そして過剰なまでに書き込まれるスプラッタ描写……
その徹底した恐怖とスプラッタ描写はもはや職人技といっても過言ではありません。必ずや読むものの心に決して消えないトラウマを刻み込みます。
出典 痛覚に訴えるスプラッター-御茶漬海苔『魔夜子ちゃん』 : 夜更けの百物語
代表作『惨劇館』、レビューに「※心臓の弱い方、嫌なことがなかなか忘れられない方は、避けたほうが無難です」って書かれています…とても参考になるレビューだと思います…
20年くらい経ってるのに忘れられません…。
出典 あひるちゃんがゆく:ホラー漫画のニッチな巨匠、御茶漬海苔の新刊『痛いんです』
痛いんです
見てるだけで「痛い」けど、
なぜか読まずにいられない!
深ヅメ、歯医者、耳かき、缶詰のフチ・・・。
誰でも身に覚えのある、日常にひそむ「痛い出来事」を、奇才・御茶漬海苔が描きます。
「激痛体験」のエピソードは、「痛みレベル1」から「痛みレベル6」まで段階別に収録。
これ以上読むのは怖いけど･･･
痛そうだけど･･･
なぜか、ついつい読み進めてしまう。
あなたの「痛いもの見たさ」を刺激する22本のショートストーリー。
正に怖い物見たさならぬ痛い物見たさな本。
異世界ではなく普通の日常の中に潜んでいる激痛という恐怖が怖い。つまり誰にでも起こりえる痛みの恐怖という事なのです。
個人的に一番痛かったのは
ミミカキ（これが痛みレベル4ていうのも恐ろしい･･･）
一番怖かったのは
ラーメン（さすが痛みレベル6。これはもはやホラーとしか思えない･･･）
読んでいて何度か「あ〜痛い痛い･･･これは〜ちょっと･･･痛いわ〜」と一人つぶやいていました。これはある意味ホラー漫画ですね。
出典 Amazon.co.jp： 痛いんですのkotetsuさんのレビュー
怪奇漫画家
中学生の頃、日野日出志の『蔵六の奇病』に影響を受ける。ギャグ漫画家としてデビュー後、ホラー漫画家に転向。以降、少女ホラー誌を中心に短編のホラー漫画を執筆している。
単行本は絶版で手に入りにくい。
発表の場がマイナーでペンネームが余りにも怖かった為、知名度はいま一つですが、知る人ぞ知る、昭和の怪奇を平成に伝える恐怖とエロスの伝道師。この作者の単行本は、どれも内容は良いのにすぐに絶版・プレミア化という嘆かわしい状況が続いてます。
出典 火星高校の夜 呪みちる初期傑作選II | 呪 みちる |本 | 通販 | Amazon
黒い清涼飲料水
少女が夏休みのプールの帰り道に通りかかる公園で、アイスボックスに50円のコーラを詰めて売りに来るおじさんがいました。
毎日「おじさんコーラ」を買って飲んでいると、いつしか他のジュースがまずくて飲めなくなり、禁断症状が現れるようになります。
おじさんコーラは次第に値段が上がっていき、お金が払えなくなった女の子たちはおじさんのエッチな要求と引き換えにコーラを買うようになっていきました。
いつしか時は過ぎ、飲料会社で「Zコーラ」が売り出される。
「Zコーラ」は一度飲んだら病みつきになる空前のヒット商品となったが、実はコーラの中にはなんと……
華倫変 （かりんぺん）
青年漫画家
太田出版『マンガ・エロティクスF』等で執筆。影響を受けた漫画家は山本直樹、逆柱いみり。好きな歌手は戸川純。
独特の画風で、初期は特に絵が荒い。
フェチズムな性をモチーフにすることが多く、怠惰な日常描写を得意とする。
2003年3月19日、
心不全のため28歳の若さで逝去。
2003年3月19日に急性心不全で28歳の若さで亡くなった鬼才・華倫変。彼は作品のあとがきでうつ病だ、高校時代は死ぬことばかり考えていたなど書いていたため、自殺ではないかという噂も飛び交ったが、真相は不明である。
出典 Amazon.co.jp： 高速回線は光うさぎの夢を見るか? (F×COMICS)のウル赤さんのレビュー
華倫変先生の作品の中でも最も好きな短編が
「高速回線は光うさぎの夢を見るか？」なんですが、これはネットで自殺予告をした女の子が、更に注目されたくてクスリキメたり女性器を晒して狂っているインターネット臭い話で最高です。
出典 藤川 @msmtnrk
ねこぢるうどん
ねこぢるのデビュー作で『月刊漫画ガロ』1990年6月号から2002年10月号（休刊号）まで連載。
夫妻での合作作品であり、創作においては、ねこぢるの発想（原案）を山野一が「翻訳」して読者にも読めるネーム（原作）にまとめるといった特殊な手法が取られた。
絵は可愛らしいがグロテスクな表現があったり一部の表現が差別、暴力を想起させている。マジックマッシュルームやLSDといった違法な薬物も作品中にたびたび登場する。
1998年以降は共同創作者であった山野一が「ねこぢるy」名義で継続的に作品を発表している。
ネコの姉弟を主人公とする短編のシリーズものなのですが、基本ナンセンスとはいえ、そのメルヘンチックな絵柄と裏腹に、そのお話は陰惨きわまりなく、スプラッタシーンも頻出しました。
加えて、老人・病者・ブルーカラー労働者など、弱者に対する差別表現もあからさまに描かれ、ヤバいもの好きな読者でさえも眉をひそめる内容であったわけです。
出典 楠勝平→ねこぢる｜なるべく猟奇に走るなWHO'S WHO
彼女の作品が、僕を含め一時期熱狂的な読者を獲得したのは、おそらく「見てはいけないものを見ている」という、ゾクゾクするような快感を与えてくれるものであったからだと思われます。
出典 楠勝平→ねこぢる｜なるべく猟奇に走るなWHO'S WHO
身長153センチ、体重37キロ、童顔…。
18の時出会ってからずっと、彼女はその姿もメンタリティーも、ほとんど変わることはありませんでした。それは彼女を知る人が共通して持っていた感想で、私もそれが不思議であると同時に、不安でもあったのですが…。
生前彼女は、かなりエキセントリックな個性の持ち主でした。気が強い半面極めてナイーブで、私の他にはごく限られた“波長”の合う友人にしか心を開くことはありませんでした。“波長”の合わない人と会うことは、彼女にとって苦痛で、それが極端な場合には精神的にも肉体的にも、かなりダメージを受けていたようです。
あと二・三年したら引退して、彼女が好きだったアジアの国々を放浪しようねと、二人で話していたのですが、それを待つまでもなく、インドより、ネパールより、チベットよりも遥かに高い世界へ一人で旅立ってしまいました...。──山野一（夫・漫画家）
出典 『ぢるぢる日記』（二見書房 1998年）114頁～115頁「漫画家 山野一」による「追悼文」
1998年5月10日午後3時18分、町田市の自宅マンションのトイレにてドアノブに掛けたタオルで首を吊った状態になっているのを夫の山野一によって発見される。31歳没。
出典 ねこぢる - Wikipedia
山田花子（やまだ はなこ）
本名は高市由美（たかいち ゆみ）。
旧筆名は裏町かもめ、山田ゆうこ。
実妹は漫画編集者の高市真紀。
自身のいじめ体験をベースに人間関係における抑圧、差別意識、疎外感をテーマにしたギャグ漫画を描いて世の中の矛盾を問い続けたが、中学2年生の時から患っていた人間不信が悪化、1992年3月には統合失調症と診断される。
2ヵ月半の入院生活を経て5月23日に退院。翌24日夕刻に団地11階から投身自殺。24歳没。
著作に『神の悪フザケ』『嘆きの天使』『花咲ける孤独』『魂のアソコ』『からっぽの世界』『自殺直前日記』がある。
東京都内で起きた、ある投身自殺。当時の新聞には「多摩市の無職A子さん」としてひっそりと掲載された事件ですが、「無職A子さん」とは一部で支持されている少女マンガ家でした。
そして彼女が亡くなるまでの24年間に書き溜め、発行されたマンガ作品はどれも強烈なものばかり……。
出典 自殺した幻の漫画家の、コマ外に添えられた一言が強烈すぎる | RENOTE [リノート]
山田花子は、社会の仕掛けが解ってた。
たぶん、漫画に出てきた“世界の罠”ってやつだと思う。
普通、社会の罠ばかり描いてると読む側も描く側も疲れるから、新しい方向性みつけるんだけど、山田花子ったら最後まで描き続けてくれた。今読んでも何度読んでも「こりゃ狂うわ」って敬意をはらう。
出典 『月刊漫画ガロ』1992年8月号 みぎわパン「ぱんこと花子の底辺の笑い」
特殊漫画家といわれながらも、山田花子がこの世で自分以外に愛したものは、植物や小動物、童謡や童話だった。
最初にそれを聞いた時は「ウソだろ？」と一瞬疑ってしまったが、付き合ってみるとすぐにそれらを本気で愛していることがすぐにわかった。というのも、彼女の本体はメルヘンの上に成り立っていたからである。
出典 山田花子 『神の悪フザケ』 （青林堂改訂版） 解説／手塚能理子「姿優しく色美しく」
だが、はっきりいって純粋な世界を作り上げるなんてなことは、現世においては至難の技だ。煩悩だらけの人間がそれを作りあげるには、残念ながら膨大なウソと膨大な自己犠牲がいる。
山田花子が不器用だったというのは、そのウソと自己犠牲をほんの少しもうまく作りあげられなかったことだ。
また、うまく作りあげたとしても、その結果としてやってくる孤独感こそ、彼女がこの世で一番恐れていたものかもしれない。
出典 山田花子 『神の悪フザケ』 （青林堂改訂版） 解説／手塚能理子「姿優しく色美しく」
私は山田花子の漫画は今でも“メルヘン漫画”だと思っている。差別と疎外の中で、空しく呼吸するあの主人公たちは、ずっと山田花子のメルヘンの世界の裏側にピタリと張り付いて離れることはなかった。この両方の世界を固く結び付けていたのは、まさに山田花子の誰にも負けないくらいに天晴れな業の深さである。
出典 山田花子 『神の悪フザケ』 （青林堂改訂版） 解説／手塚能理子「姿優しく色美しく」
◆団地11階から飛び降り死ぬ
24日夜、日野市百草の住宅・都市整備公団「百草団地」1街区5の3で、女性が二階屋根部分に倒れているのを住民が見つけ110番通報した。
この女性は多摩市内の無職A子さん（24）で、間もなく死亡した。11階の通路にいすが置いてあり、このいすを使って手すりを乗り越え飛び降りたらしい。（日野署調べ）
山田花子は神様の目からもこぼれ、仏も見落とす様な、人間の地味な心理や気分や抑圧や、ほ〜んのちょっとしたエゴをじっくりと見すえ（観察というべきか?）て来たわけだが、か細い婦女子が神や仏を越えてしまった以上、生きてなんかいられないわな。
実は山田花子は、絶望、絶望、絶望に次ぐ絶望、更に幾つかの絶望を越えた果てに、燦然と輝く桃源郷がある事を予見していた節もあるのだが、生きながらえたままそこへ辿り着くには、気力、体力共、余りにしんどかったわけだ。
でも、彼女の自殺にはまったく意外性がなかった。たしかに、個人的には高市由美の死は悲しいが、作家・山田花子の自殺には、否定的な気持は沸かない。
例えば麻薬をやってヨイ人間（勝新とか）とよくない人間（宮沢首相とかね）がいるように、自殺してヨイ人間とイケナイ人間がいて、山田花子は前者だ。そんな人間にとって自殺して早死にするのもひとつの生き方故に冥福はあえて祈らない。それにしても本当に、つくづく業の深い漫画家だった。──根本敬（特殊漫画家）
出典 『月刊漫画ガロ』1992年8月号 根本敬 故・山田花子賛江捧グ「マリアの肛門を見た女」
佐伯俊男（さえき としお）
イラストレーター
寺山修司や澁澤龍彦らの激励を受け、
1970年『平凡パンチ』でデビュー。
モチーフはエログロ、怪異、魑魅魍魎、ホラーなど多岐に亘っており「情念の絵師」とも評される。
丸尾末広、蛭子能収、近藤聡乃など
ガロ系の作家にも影響を与えている。
エロ・怪奇・特殊漫画家人生相談室
駕籠真太郎によるトークイベント「エロ・怪奇・特殊漫画家人生相談室」が、2016年1月27日に東京・阿佐ヶ谷ロフトAにて行われた。出演者は駕籠真太郎、根本敬、山野一、呪みちる、羽生生純、町田ひらく、山本直樹、そして司会に都築響一。
大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)
言える事はタイトルに付いていたエロ・怪奇・特殊…世でいう変態な作品を送り込んでいる漫画家さん達の中に、ホンモノの変態は一人も居ないし真っ当な常識人である事。
デイリー新潮「イマイマイズム見聞録」（第49回）
「家には作品を堂々とは置いてないが、見つけようと思ったら見つけられるところにある。隠すのが親の仕事。見つけるのが子供の仕事。ただ、ウチが特殊なのは、その隠さなきゃいけない本を描いているのが親ってところ（笑）」
エロ・怪奇・特殊漫画家人生相談室に行ってきました。
成人向け漫画の中でもかなり【特殊】なジャンルの漫画と言うのは有り体に言うとヌケない・・・良く言えば「ポルノグラフィ」と言うよりは「エロティカ」であったり、猟奇的だったり、不条理・理不尽であったり,、不謹慎極まったり。そう言った何かと物議を醸す・・・叩かれたり後ろ指を指されたりするようなジャンルを指します。
エロ・グロ系マンガ家は家族の理解を得られる？駕籠真太郎ら7人が徹底トーク - コミックナタリー
エロ・グロ描写のある作品を執筆するマンガ家は、家族、親戚、近所の人々に自分の仕事をどう伝えているのかをテーマにトークが展開されていく。興味のある人は彼らが解決策を見出せるのか、会場に行って確認してみよう。（イベントは終了しました）
