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『突然変異』創刊号から「ロリコンの恋ものがたり」(青山正明の原点)

ロリコンの恋ものがたり

青山正明(無記名)

 

昨今の街巷で、よくこんな会話を耳にする。

「おっ、いい脚してんなー、あの娘。」
「胸もなかなかのもんだぜ。」

ここで話題のあの娘とは、まだ白パンのようなお尻をした、かわいい女子小学生。

今、東京中にロリコン人間があふれている。チャイルドポルノの影響もあるだろうが、それだけではない。一昔前迄は女子高生が青い果実として重宝されていた。でも、今の女子高生は性知識をとっても、肉体をとっても、OLと何ら変わる所がない。男を見ればしっかり濡れる。女子高校生に“青春の光と影”を求めるのは、PTAと盲くらいだ。女子大生サロンは又の名をオバサマサロンという……。

こうなれば、甘ずっぱい無垢の果実を射らんとす性の狩人達の矢は、自然と中学生・小学生に向けられる。女子小学生のあどけない瞳は、私たちの心臓を熱く締めつける。幼い頃の思い出。昔日への郷愁。腐敗した性を、かくも美しく昇華せしめる無邪気さ。そして、カシミヤのように柔らかくしっとりとした天使の体。

高校生が売春をしても、今では話題にもならない。昔だったら女工とか、売春婦とかやってる年頃の女が、高校に行ける時代になったのだ。これからは小学生売春の時代だろう。それに、幼女を使った売春なんて、世界中、いつの時代でも存在してたのだから、無い方が異常だ。

ところで、私の友人“元祖ロリコン人間──青山正明”の事をお話しよう。私もかなりの好事家ではあるが、その生涯すべてを変態修養に注いできた彼にはかなわない。この雑誌の編集員であるSK氏は、青山を称して“動く変態陳列館”と言っておられたが、なかなか言い得て妙である。

高校入学当時の彼は、変態ではあったが今ほどグロくはなかった。学校の帰り道、友人共々書店に赴くと、彼はきまって子供服の雑誌や小学一年生に我を忘れて見入っていた。そうして、気に入った女の子の写真を見つけると、その雑誌を買って帰り、切り取ってファイルしていた。その当時、私は彼から、ニュービーズのCFの女の子が、「パパ、アデランスにしてヨカッタネ」の女の子であり、又、小学一年生のカバーガールでもある事を教わった。

秋になると、ここかしこの小学校で運動会が催される。彼が一番活気づく季節だ。彼は都内のあちこちの小学校の日程を調べあげ、したり顔。いつもながら私も付き合わされた。出発行進を待つ、ちっちゃな女の子達の回りでカメラを手に行きつ戻りつしていた青山の姿は何とも滑稽で一見の価値はある光景だ。

彼は、小学校の運動会を見終わると、必ず女の子の上履きを失敬してから退散した。彼の家には、そうしてとってきた上履きがたくさんあって、嘗めたのと嘗めてないのとちゃんと仕分けして、ビニール袋(香りが抜けないように)に包んであった。豊島区内のN小学校では、女子小学生のトイレの中から、血染めのナプキンを拾って狂喜していた。

大学に進んでから(もちろん私とは違う大学)、青山の手口は飛躍的な進歩を遂げた。かねてから彼の念願であった「子供の前で自分のモノを振って見せる」という希望も、春の昼下がり、大森の児童公園でほどなく実現された。

そうしたある日、ついに彼は孤児誘拐の決意を表明。綿密な計画をたてた後、彼は私を連れ都庁へ行った。都庁の第3棟の9階に児童部という所があって、そこで彼は嘘八百を並べたて、ロリコンぽい職員から“児童福祉施設名簿”を入手。破顔一笑。これは、都立・民営合わせて64の養護施設(いわゆる孤児院)の所在地・最寄駅・電話番号・定員等の書き込まれたかなり詳しい資料。子供誘拐を志す者にとっては、それはありがたい代物だそうだ。

さっそく、彼は掲載されていた養護施設にかたっぱしから電話をかけ、女子小学生と女子園児の数を言葉巧みに聞き出した。大田区久ケ原にある聖フランシスコ子供寮は、女子ばかり75名。でも男子禁制。男のボランティアはお断りとのこと。結局、都内の2つの民営施設に的が絞られた。慎重な彼は、権謀術数至らざる所のないよう、直接施設訪問は行わず、九段にある“東京善意銀行”という、ボランティアの斡旋所に出向き、そこで推薦状をこさえてもらった。そしてちゃんと登録をし、技術寄附者として東京新聞に名前まで掲載された。彼はその書状を手に、実に堂々と施設訪問をやってのけた。こうした行動の緻密さに、彼の変態躍如した偉大さが感じられる。

その後の彼の行動と成果は、公のものとするにはかなり問題があるので、読者のお怒りを覚悟の上、割愛させていただく。

そのかわりに、彼が最近口にしていた事を、そのまま読者に紹介しよう。

──畑山博が、「いんなあとりっぷ」で、こんな事を報告してたよ。先達て、八王子市のZ小学校で身体検査を行ったところ、女子児童のうち6人が妊娠してたんだって。教師っていうのは子供に接する機会が一番多いからね。羽二五郎によると、日教組に入ってこんな事しでかすと、懲戒免職(退職金無し)だそうだ。でも、文部省側、つまり組合に入っていなければ奨励免職(退職金2倍)というありがたい処分で済むらしい。子供の尻さわりたくて教師になる奴は、まず日教組には入らないことだな。

──教師になりたくない奴は、余暇として、塾教師やボランティアでもすればいい。岡本千代市という都庁職員が、鎌倉にある「黙想の家」で、ベトナム難民少女2人にいたずらをして捕えられたけど、詰めが甘かったんだな。

──とにかく、親っていうのが一番じゃまなんだよ。だから俺は親のない子供を狙うのさ。こいつら金もないしね。個室なんて与えられてないから、独りで考える機会がないんだよ。つまり単純でだましやすいのさ。愛情に飢えてるしね。

──今はやりのベビーホテルなんてのもいいね。でも、ただ赤ン坊の前にチンコ出してもしょうがないんだ。部屋を暗くしてから懐中電灯でチンコを照らすのさ。そうすれば、すごい力で握ってくれるよ。チョコでも塗って嘗めさせる時、先天性歯牙の赤ン坊は歯が邪魔だから医者に連れてって抜歯してもらうか、短く削ってもらうことだ。

──俺だって金さえあれば、ブラジルやインドでも行って、子供と思う存分楽しむんだが……。いつか、華南あたりで子供を買ってくるさ。もちろん養女という名目だけどね。高校生ぐらいになったら、トルコでも始めて使えばいい。送り返しちまってもいいんだ。高い金払って教育を受けさせてやったんだから、お礼されてもいいくらいだ。

最近、青山を“日本てんかん協会”の遠足で見かけたという児童文化研究会の友人の証言がある。折しも、今年は国際障害者年。ついに彼は身体障害者に迄触手を伸ばし始めたようだ。

 

青山正明の旧友を名乗る人物が青山の高校時代から大学時代までのロリコン遍歴を綴る自作自演の無記名原稿。青山の実質的な文筆デビュー作である。

所収『突然変異』創刊号/1981年4月15日発行